【本要約】本当のたばこの話をしよう【禁煙】

本書では、たばこに関して「吸う人」、「吸わない人」の両点から
物事を観察して、可能な限り科学的根拠に(エビデンス)に基づいて検証されています。

第3部で「社会全体の話」として、
たばこにまつわる様々なエピソードを交えて考察されています。

今回は、たばこに関する社会全体の話」を中心に紹介していきます。

目次

世界中で公共の場所が禁煙になっているわけ

海外旅行をすると、屋内のレストランやバーが禁煙になっているのに気づきます。
なぜ、海外では屋内が禁煙になっているのでしょうか。
これには、ある条約が締結されたことが大きく影響しています。

その条約は、「たばこ規制枠組条約」です。

たばこは、巨大な多国籍企業が国境を超えて広告・販売などを行っています。
これらの企業が、国家予算規模の資金力を背景に
科学的事実に干渉したり、たばこ規制を妨害してきました。

それに対抗するために条約という形で国際的な協力体制を築こう
というのが基本的な考えです。

科学に基づいて作られた条約

10年に及ぶ努力の末に成立し、
180カ国以上が参加するこの条約の一番の特徴は、

たばこの健康被害について科学的証拠(エビデンス)に基づいて作らている点です。

・たばこの消費及びたばこの煙にさらされることが死亡疫病及び障害
 引き起こすことが科学的証拠(エビデンス)により明白に証明されていること
 (能動喫煙と受動喫煙の健康被害

・紙巻きたばこ及びたばこを含む他の製品が依存を引き起こし及び維持するような
 高度の仕様になっていること
 (たばこの依存性

・紙巻たばこから生じる煙に薬理活性、毒性、変異原性及び発がん性があること
 (たばこの煙の有害性と発がん性

上記を参加国が認識することが規定されています。
 この条文によって、参加国はたばこの有害性、健康被害、依存性
」として公式に認めることになります。

たばこ産業についても、参加国は以下の2つを認識するように規定されています。

たばこの規制のための努力を阻害し、又は著しく損なうたばこ産業の活動に警戒する

たばこの規制のための努力に悪影響を与えるたばこ産業の活動について知らされる

第4条の基本原則には以下が掲げられています。

あらゆる形態のたばこ製品について、その使用の開始を防止し
その使用の促進を及び支援し、
並びにその消費を減少させるための措置をとる必要性

つまりこの条約は、たばこの健康被害から国民・市民を守るために
たばこの消費を減らす必要がある、とはっきり宣言しています。

この条約に180カ国の国々が、たばこの健康被害についての
科学的事実(エビデンス)と、その被害を減らすための国際協力の必要性がある、と
世界中の国々の合意を得ています。

条約のメニュー

条約は、第6条からたばこの消費を減らすためのメニューが提示されています。

・第6条 価格と課税
・第8条 受動喫煙からの保護
・第9条 たばこ製品の含有物の規制
・第10条 たばこ製品についての情報開示
・第11条 包装とラベル(警告表示)
・第12条 教育、情報の伝達、訓練、啓発
・第13条 たばこ産業の広告、販売促進、後援
・第14条 たばこ使用者の禁煙支援
・第15条 不法取引
・第16条 未成年者への(未成年者の)販売禁止
・第17条 たばこ栽培や販売に代わる産業の支援

これだけたくさんのメニューがあることは、
たばこが社会に深く根ざした問題であることを物語っています。

分煙ではだめなのか

受動喫煙の議論で出てくる意見として「分煙」では駄目なのか
という、発想があります。

これはWHOのたばこ規制枠組条約のガイドライン
分煙」を完全否定しています。

・「100%の無煙環境」以外のアプローチには効果がない
・技術工学的アプローチではたばこの煙にさらされることから保護できない
・屋内の職場及び屋内の公共の場はすべて禁煙とすべきである
・立法措置が必要である
・自由意思による対策では効果がない

なぜ「分煙」ではダメなのでしょうか。

アメリカの暖房冷房空調学会があります。
この学会が2010年、受動喫煙を防ぐための技術を検討して
報告書にまとめました。

① 屋内で受動喫煙の健康リスクを効果的になくす唯一の方法は、
 屋内を禁煙にすることである
② 建物内で完全に分離独立させた喫煙室によって、受動喫煙の制御は
 可能だが、喫煙室で働く人の健康被害を換気では防げない

つまり、「屋内を全面禁煙することでしか受動喫煙を防げない」という結論です。
空調の【専門団体】がサジを投げるほど、
たばこの煙は屋内からの除去は困難ということです。

②の「働く人の健康被害」という点がとても大切で、
社会全体で考える必要性のある、という問題点だと思います

法律を作ると病気が減る

法律で職場やレストラン、バーなどを禁煙にすると
病気が減ることが明らかになっています。

本書で、受動喫煙防止の法律ができる前後の入院件数、
病気の減少(循環器・呼吸器疾患など)の変化を
調べた研究結果の「グラフ」が詳細に載せられています。

それによると、禁煙にする場所を職場、レストラン、バーと
広げれば広げるほど病気が減っています。

この研究は、これまで法律ができた国や都市で行われた
45の研究結果(33地域)を統合したもので
国や地域を問わず病気が減少しています。

これらの国や地域で共通していることは、
すべて罰則付きで屋内を全面禁煙にした点です。

罰則付きで屋内禁煙になると、屋内でたばこを吸う人が減り
受動喫煙が減ります。
法律ができたことをきっかけに、たばこをやめる人もいます。

未成年者が同乗する車も禁煙

公共の場所だけでなく、プラベートでの空間での喫煙
禁止する動きもあります。

2015年、英国(イングランドとウェールズ)で
未成年者が同乗する車(自家用車も含む)の中で喫煙を禁止する法律が施行されました。

同様な法律は、フランス、カナダ、オーストラリア、
米国カリフォルニア州、ハワイ島などにあります(日本でも努力義務ですが
東京都と兵庫県で同様の条例ができました)

個人がプライベートな空間で喫煙する自由を法律で制限するには、
よほどしっかりした根拠が必要です。

それが、受動喫煙の健康被害の科学的根拠(エビデンス)であり、
もう1つは子供に、「選択の自由」がないことです。

飲食店や職場を法律で全面禁煙するのも、そこで働く従業員に選択の自由がないことが
大きな根拠で、
受動喫煙を防止するための法律には、
弱い立場の人を守るという基本的なコンセプト」が貫かれているのです。

本当のたばこの話をしよう, まとめ

「本当のたばこの話をしよう」の第3部の
たばこにまつわる「社会全体の話」を少し要約してみました。

弱い立場の人を守るという基本的なコンセプト』が
社会全体に浸透して「禁煙」という自然な流れになれば、と願っています。

そういう「方向性」で社会全体が少しずつ「変化」して
大きなひとつのムーブメントになると「オモシロイ」ですね。

成熟した「国家」「社会」「文化」で問われている、
基本的な「コンセプト」が根底にあると思います。
禁煙一択ですね

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